初
鴨 和田
順子
鴨来る勢ひづきて水の面
初鴨らし首立て胸を張りゐたる
沈思黙考秋冷の真ん中に
三五夜中新月の色いくたびも
明日がある素心てふ蘭いただきて
生くること日日に重たし地虫鳴く