幸ノ海       和田 順子

 古き名を(さち)(うみ)てふ秋澄めり

 朝涼の山湖は金の魚棲ませ

 みちのくへ向ふ薄の補の赤き

新聞の裏側小鳥来てをりぬ

何急かす山法師の実のもう赤く

犬枇杷の熟れをり鳥にも私にも