啓翁桜       和田 順子

 寒ざくらしづかな息の来ては去る

 船笛の尾の重なりに年移る

 初東雲注連張られたる方位盤

 巣穴より木ねずみ出づる四日かな

 しんしんと凍る夜爪を光らせて

 葱焼いてこれからのこと明日のこと