国の春      和田 順子

 この国の春は言葉に運ばれて

 半島のくつきり見えて若布干す

 位置に付く船や鴎や春立てり

 春寒料峭弁財天も抱く琵琶も

 四方枯るる縄文の世の丸木舟

 銅鏡の磨かれ寒き世を写す