花どき     和田順子

 何ごとの無きかに花の咲きにけり

 ()のごとき魚影走り初桜

 花どきの帖に束ねて和紙軽ろし

 ひよつこりとは出でぬ失せ物山笑ふ

 花びらの吸はるるごとく散りゆけり

 のどけしや(かたち)なす雲なさぬ雲