今月の15句   和田 順子選  
どんぐりの降る日木馬に乗りたき日    下鉢 清子

数珠玉や誰の物でもなく実り       古島 恒子

松の幹ぬくもり残る今朝の秋       柳田 聖子

引明けの空柔らかし葉月富士       秦 光枝

夜もすがら小豆を洗ふ茶立虫       見田 英子

山の日や鹿飲む水の漣す         久保田 庸子

畳まれてホース水吐く防災日       佐藤 里秋

木漏れ日や天使のノブに秋の冷え     小野田 征彦

オリーブの実は約束の青さかな      石澤 青珠

秋茄子のあふるる日差返しをり      関口 玉枝

トランポリン秋の高空廻しけり      金山 征以子

江ノ電の警笛に秋揺れてをり       金田 美穂

神鶏の生みし卵や秋祭          森島 弘美

渓音の村はことなし曼珠沙華       田島 昭代

盆支度ひとつ灯りにみんなゐて      近藤 れい


      

      上掲の作品について一句鑑賞文をお寄せください。

     一句について200字以内、編集部宛てFAX(042-473-3632)

     にて、お送りください。掲載させていただいた場合、

     結社誌「繪硝子」を贈呈いたします。

同人集より一句鑑賞
     神鶏の生みし卵や秋祭    森島 弘美 


 神社で飼われている鶏。新年に行われる鶏鳴の神事のために飼われて

いることもある。その鶏の生んだ卵は、ことのほか大事なもので

あろう。 豊年の感謝として供えてあるのかも
知れない。

秋祭は収穫祭でもあり、その年の収穫を神に感謝することから始まる。

 状況を述べてあるだけであるが、秋祭の季語の使い方がよかった。

 神への感謝、自然への感謝がそれとなく伝わってくる。

 
 
 繪硝子集より一句鑑賞

   盆支度ひとつ灯りにみんなゐて   近藤 れい
 

 秋の季語にしっかりとある「盆支度」「盆用意」であるが、

現実にはあまり行われていないのではないか。

子供のころ、
仏壇のものをみんな広げて子供たちで磨き、盆提灯を

だした。
「ひとつ灯りにみんなゐて」によき時代の絆が見える。