今月の推薦句 和田順子選(風韻集前半・同人集・繪硝子集より) |
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花人のぱらぱらと来て一群衆 下鉢 清子 危ふきに棲みて筑波山の月おぼろ 北見 さとる 花かがり隠岐に伝はる蓮華会舞 藤田 純男 わかみどり鉄棒にある握り艶 古島 恒子 草萌や少年けふも素つ気なく 細川 普士子 幾代経し名水春の音立てて 柳田 聖子 咲いて散り咲いて散りたる日は春よ 向笠 千鶴子 夕づつや辛夷の白の冴え冴えと 宮田 美知子 さくら蘂降る公園にミュージシャン 河合 寿子 散る花を吸ひこんでゐる象の鼻 波木井 洋子 棲まぬ家多くなりたる蕗のたう 見田 英子 国生みの鉾のしづくの春の島 千葉 喬子 刃物屋の砥石干さるる彼岸かな 山口 冨美子 ライオンの咆哮桜ふぶくなり 山本 恭子 花の風伝法院を開け放ち 杉山 さや 風光る鳩と鴎に空一つ 渋谷 乃里子 春風を胸限界の吹矢かな 植村 紀子
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一句選評 (同人集より) 和田順子選 | ||
囃されてハンカチの花揺れにけり 石澤 敏秀 ハンカチの木の花は、近年春の季語に加わった。中国原産のダビディア |
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一句選評 (繪硝子集より) 和田順子選 |
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鳥雲に入る退屈な日曜日 田島 柳水 「退屈な日曜日」が、なにか大人の雰囲気である。 退屈な日曜日を楽しんでいるのかもしれない。 渡り鳥のように行動的で 今月も、東日本大震災を詠んだ句が多かった。 取り上げた20句の みなそれぞれに心を痛め、この惨事に真剣に向き合っていることが
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